”経験ゼロ”から始まった私の海外キャリアー就職活動20年のリアルと学び

約8年間勤務したトヨタオーストラリアを卒業し、花王オーストラリアへの転職を決心!大好きなトヨタ、レクサスブランド。たくさんの学びとご縁に感謝して、来週から新天地でのキャリアがスタートします。実はこれで、オーストラリアでの就職は4社目。ここに至るまで、英語への情熱、異文化の中での挑戦、そして何より「働きたい」という気持ちを原動力として、長い道のりを歩いてきました。

その就職活動のリアルな体験を振り返りながら、これから海外で働いてみたいと考えている方に向けて、少しでもヒントになることをお届けできたら嬉しいです。

ありがとうトヨタ!社員カードの写真は8年前のまま(笑)
目次

海外で働く夢の始まり

中学生の頃から英語が好きだった私は、高校で1年間オーストラリアに留学。その頃から、将来、異文化の中で過ごす日々を夢見ていました。

当時は、(今でも日本の英語教育はそういうところがあると思いますが!)「英語」の学校での成績が良ければ、それが武器になる、という時代。日本の大学では英語を専攻し、卒業後は高校で英語教師として勤務。再びオーストラリアの大学へ。大学卒業後、ラッキーなことに永住権を取得したときは「これで就職もきっと簡単にできる!」と楽観的に考えていました。

でも、現実はそんなに甘くありませんでした。

「経験がないから」は、チャンスの始まり?

最初に応募したのは、小さな日系商社のオフィスワーク。
知り合いが日本に帰国するので、退職ということで、書類審査はパスでしたが、面接結果は見事、不採用。理由は「事務の経験がないから」。でも私は、「経験はないけれど、頑張ります!」と面接後に直談判。泣きつくようにして、採用していただきました。

この経験が、私のキャリアの原点です。受付、電話対応、来客応対、さらには社長・会長の秘書業務まで、オフィスのすべてを経験できました。

1年が経過した頃、日系の人材派遣会社へも登録をしました。

トヨタとの出会い、そして新たなチャレンジ

1年後、登録していた人材派遣会社から、日本のトヨタ自動車がメルボルンに技術部を立ち上げるので、サポートスタッフを探している、という話をいただきました。

人材派遣会社を通す場合、面接の時間調整や、契約に関することなど、すべては、人材派遣会社を通して行われます。
給与も2倍。「これはチャンス!」と飛び込みました。新しく社長に就任するトヨタ自動車のエンジニアの方と、赴任されたばかり、ビザもまだ、という経理担当の方、ローカルの人事のマネージャー(まだ就任したばかり)の3人でスタートした会社で、この3人による面接は、とても緊張しました!

でも、前職の小さな商社で受付、秘書業務全般を経験させていただいたこと、トヨタというブランドは、生まれ育った故郷ではとても大切にされている特別なブランドであること、を話し、ラッキーなことに採用が決まりました。新規に立ち上げる会社での業務は、一般的な「秘書」を超えるもので、さまざまな場での通訳、各国からのVIP対応、採用活動、社外との調整など、約8年間、大変貴重な経験をしました。

その後は育児のためにキャリアブレイクを取ったものの、6ヶ月で「やっぱり働きたい」とまた仕事を探し始めました。今度は、メルボルンの大学で留学生サポートの仕事に就きました。日本人だけでなく世界中からの学生と関わり、自分の高校留学経験が生きた、とても楽しい仕事でした。当初は3か月の契約でしたが、働きが評価されて、正社員へ。勤務して2年後、「優秀スタッフアウォード」を受賞するなど、とてもやりがいを感じていました。

しかし6年後、留学生数の減少により“Redundant”(ポジション廃止)に。この時は、心から悲しかったし、悔しかったです。でも、オーストラリアでは、どんなに評価が良くてもポジションそのものがなくなることはよくあることです。日本でいう「首になった」というようなネガティブなイメージはあまりないです。

就活スキルを本気で磨くとき!

Redundant(リダンダンシー、と英語では言われます)、は会社の都合で退職、ですので、通常は、一定期間「再就職支援プログラム(民間のハローワークのようなもの)」を会社の補助で受けることができます。
ここで初めて、就職活動を体系的に学ぶことになりました!

  • 自分の強みを明確にすること(例:バイリンガル、イベント管理、VIP対応、異文化理解)
  • 応募ポジションに合わせたカバーレター&レジュメの書き方
  • 面接では、対話=エンゲージ力がカギ!

オーストラリアでは、面接も「会話形式」が基本です。情熱がないとすぐにバレてしまいます(笑)。

ある時、面接の練習をして、自分のプロフィールをプレゼンしていました。その時、私を担当してくれた女性が、「あなたの話しはとてもユニークで、興味深いわよ!」と言われたことを今でも覚えています。

転職活動の現実

とにかく応募!「数撃ちゃ当たる」作戦も試しましたが、見事にどれも通らず……。
半年後、ようやく日系企業の役員秘書のポジションに通過。書類選考 → 電話インタビュー → 面接 → 最終面接 → Reference(前職の上司に推薦をもらう)という流れでした。

ちなみにReference、というのは、採用の最終段階で連絡が来るので、現職に就きながら、就職活動をする場合、(今回の私のように、トヨタにいながら花王へのポジションに応募するというケース)現職にバレずに就活するのは難しいですね。

再びトヨタへ。そして、今回の花王との出会い

やっと手に入れた日系企業での秘書の仕事でしたが、3か月も経たないうちに、トヨタが60年続いた工場閉鎖を発表。世界中のVIPが訪れるイベントを仕切るプロジェクトスタッフを募集しており、「面白そう!」と応募。このポジションは6か月の契約、というものでしたが、なんと、正社員のポジションを手放して、トヨタに就職することにしました!

6か月の契約が終了後、正社員としての部長の秘書のポジションをゲット!8年間勤め、今回、LinkedInで偶然見かけた花王オーストラリアの募集に応募しました。

新設ポジションで、仕事内容も面白そう。私の経験が生かされる!とすぐに思いました。
レジュメやカバーレターには、過去の業務内容を具体例付きで丁寧に記載しました。

日本との違い、そして私が学んだこと

20年間のオーストラリアでのキャリアの中で、日本と大きく違うなと感じた点もたくさんあります。

例えば、面接は“会話”が基本
質問に一方的に答えるのではなく、お互いにやり取りを重ねる「エンゲージ力」がとても重要です。これは、その会社に心から入りたいという気持ちがなければ伝わらないことだと思いますし、逆に情熱があると自然と会話も弾みます。

また、“新卒一括採用”の文化はありません
年齢やタイミングに関係なく、「このポジションにマッチしているかどうか」で採用が決まります。一般職・総合職の区別もなく、すべてのポジションが「プロフェッショナル」として見られています。

そして、最初は戸惑ったのが給与の話
面接の終盤や内定前後で「あなたの希望給与は?」と聞かれるのがオーストラリアの一般的な流れです。
日本ではなかなか話題にしにくい部分ですが、こちらでは**“自分の価値を自分で伝える”**ことが当たり前。

法律で決められている最低賃金ぴったりで「はい、大丈夫です…!」と答えていた最初の頃の私(笑)。
ある日、夫に言われた一言が印象的です。

「きみの最初の仕事ってXXドルだったの覚えてる?あれ、最低時給だったよね。
そんなきみが“希望額はこのくらいです”って言えるようになったの、すごい進化だね!」

我ながら、確かに(笑)。
でも、経験を重ね、自分のスキルに自信を持てるようになった今、遠慮せずに自分の希望を伝えることができるようになりました。
これもまた、オーストラリアで学んだ大切な「働き方」の一つです。

さいごに

思えば学びと挑戦の連続だった私のキャリア!
でもその一歩一歩が、確実に自分の力になっていると今では実感しています。

もし今、オーストラリアや海外で働くことを目指している方がいたら、ぜひ一歩踏み出してみてください。
私の経験が、少しでも誰かの背中を押すきっかけになれば、とても嬉しいです。そして、もしこのブログを通じて何か質問したいことや、聞いてみたいことがあれば、どうぞお気軽に声をかけてくださいね。

私のオーストラリア永住20周年を記念して出版した著書「オーストラリア発 英語習得も人生も楽しくなる!オーストラリアマインドの秘密」もよろしければチェックしてみてくださいね。

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