
おもてなしとグローバルマインド
これまで経験してきたEAの仕事の中で、いつも私が大切にしてきているキーワードがあります。
それは「おもてなし」です。
おもてなしの心、やりすぎないバランス
日本では「おもてなし」と言うと、細やかな気配りを徹底するイメージがあると思います。
私自身、以前トヨタオーストラリアで初めてローカルの部長をサポートしたとき、彼がデスクに来る前に、デスクに水筒を置いておいたら「これがおもてなしだね、素晴らしい!」と喜んでいただいたことがありました。(彼にとって日本人の秘書は私が初めてでした。)
一方で、今の上司は「自分のことは自分でやるから大丈夫」というスタイルです。
おもてなしは、決して、「やりすぎること」ではない、ということも大事ですね。相手のスタイルを尊重しつつ、必要なサポートを提供する。そのバランスこそが、本当のおもてなしですね。少し余談ですが、最近は、日本へ帰国する際、日本のサービス、たとえば、袋を余分に頂いたり、宅配サービスの時間指定など。これってそこまでする必要があるのかな、と感じてしまいます。
9月のVIP訪問での学び
9月のブログにも書きましたが、日本からのVIPをオフィスにお迎えしました。今の職場に転職して、初めてのVIP対応業務で、久しぶりに、「日本らしいおもてなし」に少しこだわってみました!
湯呑みはあったものの、茶托が足りないことに気づき、近くのお店を探してなんとか素敵なものを見つけました。さらに、同僚からNoritakeのカップをお借りして「特別感」を演出!
当日、私がおすすめした緑茶について、上司が「これは公恵さんが先日わざわざ探して購入した湯呑みなんですよ」と紹介すると、VIPは笑いながら「だからお茶をよく薦めてくれるのですね!」と返してくださったのです。
厳しい方と伺っていましたが、場を和ませるユーモアを交えてくださった姿に、かえって安心感を覚えました。
今週の監査役の訪問から
そして今週は、さらに3日間、監査役の方が来豪されました。会議には社外の監査役も参加し、ローカルメンバーも緊張していましたが、会議は、VIPの感謝の言葉からスタートで、これは予期していないことでした!
「みなさん、この度は、資料作成に協力してくれて感謝します。そして、ホテルや車の手配も本当にありがとうございました。」
会議室全体がふっと和む瞬間でした。
さらに、ローカルのコーヒー文化にも興味を持たれたようで、3日目には、会社のコーヒーマシンをご自身で確認して「じゃあ昨日と違う、フラットホワイトをお願いしようかな」とユーモアを交えて注文されるなど、とても自然体でグローバルな感覚をお持ちでした。
私にも、「日本へお帰りになることはあるのですか?」と質問いただき、とても嬉しいお気遣いでした。
日本からお持ちになった「柿の種」を、「これ、非常食として持ってきたんですが、よろしければどうぞ!」と、久しぶりに見る柿の種に、思わず私もスマイルでした!

おもてなしとグローバルマインドの重なり
今回のVIP対応で、感じたのは、おもてなしの心とグローバルマインドはつながっているということ。
相手を尊重し、感謝を言葉にし、場の空気を和らげる。これは日本の「おもてなし」と同じ根っこを持ちながら、国や文化を越えて通じる振る舞いでもあるかと思います。
そして、もう一つ大切なのは「言葉」。
会議はもちろん英語で行われますが、完璧でない英語でも、自分の英語でできる限り伝えようとする姿勢が本当に伝わるのです。私が秘書としてキャリアをスタートさせた当時は、「通訳」をすることも多かったですが、最近は滅多にありません。大切なのは英語力そのものよりも、「自分の意思をなんとか伝えたい」という思いですね。そして、少し英語のサポートが必要なときは、もちろん助けを求めることができる。
これこそが、グローバルマインドの核だと感じています。
第3回では「秘書に求められるスキルセット」をテーマに、日豪での違いを交えながらお届けします。
どうぞお楽しみに!
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