久しぶりに、最初の一歩から「WOW!」が止まらない夜を過ごしました。
その場所は、メルボルンの歴史あるフィッツロイ・ガーデン(Fitzroy Gardens)の中に新しく誕生したレストラン、Yiaga(イヤーガ)。
キャプテン・クックの家があることで知られる美しい庭園に、自然とアート、そして食がひとつになったような特別な空間が生まれていました。

扉の向こうに広がる静かな驚き
まだ明るい夕方、静かな入り口の重厚なドアを前に少し緊張しながらベルを鳴らすと、
明るい笑顔の女性スタッフが「I’m so sorry for your wait!」と迎えてくれました。
そして、「You must be David & Kimie」と、名前を覚えてくれていて、もうこの時点で
「ここはスペシャル!」と感じました。
長く、少しミステリアスなトンネルのような通路を抜けると、そこには天井までガラス張りの開放的な空間。
通されたテーブルは、木の温もりを感じる手作りのテーブルとユニークなデザインの椅子が並び、
目の前には静かな熱気に満ちたオープンキッチンが広がっていました。

若き才能が創り出す、オーストラリアの新しい味
この日は、Yiagaが初めて一般公開された特別な夜。
エグゼクティブシェフは、まだ30代のHugh Allen(ヒュー・アレン)氏。
16歳で料理の道に入り、デンマークのミシュランレストランNomaで修行。
帰国後は、メルボルンを代表する名店Vue de Mondeのエグゼクティブシェフを務め、
6年の歳月をかけて、この地にYiagaを誕生させました。

“オーストラリアネイティブ”をテーマにしたアーシーな世界
全12品のコースは、ほとんどが一口サイズで、その一つひとつに、オーストラリアと多文化が入っていました。
ネイティブハーブ、魚介、地元産の穀物——それらが、国籍を超えた発想で融合しています。
見た目は洗練されていながら、どこか温かく、自然の息づかいを感じる味わいでした。
今やオーストラリアの食の世界でも、よく知られている「うまみ」「わかめ」「だし」などの名前も出てきました。
特に印象に残ったのは、なんと、桜もちを思わせる春のデザート。
桜の葉の塩漬けを思わせる風味と、わかめが使われていました。、
なんと、ストロベリーパフェが、生わかめ一緒に包まれていて—まさに“春を味わう一口”でした。
オーストラリアの素材で日本の春を感じるなんて、想像もしなかった驚きです。
Yiagaの魅力は、料理だけではありません。
陶器、カトラリー、テーブルまでもがビクトリア州の職人による手作り。
テーブルクロスのないナチュラルなスタイルが、むしろ上品で心地よく、まるでフィッツロイガーデンの一部で食事をしているような感覚に包まれました。

チームが織りなす完璧な調和
スタッフのサービスも印象的でした。カジュアルさの中に丁寧さがあり、まるで長年の友人のような温かさ。
そして、目の前のオープンキッチンでは約20人のスタッフが無駄のない動きで料理を仕上げていて、
活気があるのに、カオス的なことはなく、多国籍な様子も、オーストラリアらしいな、と思いました。
その夜が、パブリックのお客さんにサービスをするのが初めての日とはさすが!
特別に案内してもらったワインセラーでは、木の香りが心地よく、約1,000本のワインが手作りの棚に大切に並べられていました。
会社の日本からのお客様に予約をする時があるかも!と、チェックした、プライベートダイニングルーム。6名限定のプライベートダイニングルームは、自分が大好きな人と予約したいなあ、と今から楽しみになる程、一枚板のテーブルとガラスランプが印象的で、ここでもまた「WOW!」。
Yiagaでの夜は、単なる食事ではなく、オーストラリアという国の多様性と創造力を感じる体験でした。
自然、文化、人、そして「おもてなし」が見事に調和した空間。
38席のレストランはすでに年内満席とのこと。若い才能とチームのエネルギーが生み出す未来のオーストラリアダイニング—それがYiagaでした。

Yiaga のHPはこちらです。












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